2012年3月 9日 (金)

スカイツリー出現!(第61期王将戦第五局)

第61期王将戦第五局を佐藤九段が制し、新王将に返り咲きを決めました!

おめでとうございます!

もうずいぶん昔、NHK杯戦の解説をしていた森内名人が、佐藤新王将の棋風について、「佐藤さんはボクシングでいうとハードパンチャーという感じで、普通は相手のパンチを受けないようにして距離をとっていくのですが、佐藤さんの場合は相手に打たれても関係なく攻めていくというところがありまして・・・」と紹介していたという記事を書いたことがありますが、今回の王将戦も相変わらずのガンガン踏み込んでいく将棋で、見ている僕達を魅了してくれました。

そして、今日の第五局でも、まるでマンガに出てくるような劇的な印象深いシーンを盤上に創出してくれました。

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どうですか、この盤上に聳え立つ「歩金金角角桂」の搭は! まさに、つい最近完成した世界一高い塔、東京スカイツリーを彷彿とさせます。美しいなあ。

負けた久保王将はA級も陥落し、棋王戦でも郷田九段に王手をかけられていて、かなり追い込まれているように思います。しかし、何年か前のNHK杯戦で谷川九段を相手に粘りに粘って逆転勝ちした一戦を僕は忘れません(最後に決め手の桂を打つとき久保さんの手が震えていました)。 久保王将はきっとまた、新たな必殺技をひっさげて戻ってきて、その華麗なさばきの芸術で我々にため息をつかせてくれるに違いありません。

これからもこの両雄に期待です!

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2012年2月21日 (火)

天空のトライアングル(第61期王将戦第三局)

2月16日、17日に行われた第61期王将戦の第三局、目を奪われるような美しいシーンが盤上に出現し、慄然としました。

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どうですか、この銀三枚の美しい形。これが、佐藤九段の優勢を決定づけたというのだから、本当に完璧すぎます。なんか漫画みたいだけど、こんなことがあるんですねー。

中継ブロクでは「天空のトライアングル」と星座のようなネーミングをつけて紹介していますが、グッジョブです。その美しい形はまさに盤上に輝く星座ですね。

今期の王将戦の佐藤九段は、第一局の5七玉の顔面受けといい、見てるものを魅了してやまない素晴らしい対局を繰り広げていると思うのは私だけではないでしょう。

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この間のNHK杯戦は、木村八段VS畠山七段という一見地味な二人の対局でしたが、なんでこうなっちゃうのっていうぐらい、盤上は駒が当たりまくりで、そのカオスっぽさがたまりませんでした。

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しかも、この将棋は、最後に畠山七段が、素人目には、まだまだ長くかかりそうだなっていうようなシーンから飛車を切って襲いかかって、ほとんど駒をあまさずに一気に即詰みに討ち取り、すばらしい爽快感、カタルシスを感じさせてくれました。解説の高橋九段が言っていたように、「いい作品」を見せてもらいました。感想戦で、負けた木村八段が、「猛牛を怒らせちゃったからなあ・・・」って言ってたのもおもしろかったです。

順位戦は羽生さんがこれまで全勝で名人への挑戦を決めてしまいましたが、3月2日の最終局では、誰がA級から陥落するのかどきどきします。

また、C級2組で勝ちまくっている阿部健、菅井竜也、中村太地、船江恒平のうち誰が昇級するのかも、興味津々です。

来週のNHK杯戦の渡辺竜王VS菅井竜也の一戦も見逃せないし。

あ~将棋がある国に生まれてよかった。

 

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2011年7月20日 (水)

7月21日は、第24期竜王戦決勝トーナメント『佐藤康光VS永瀬拓矢』

あさって、7月21日に、第24期竜王戦決勝トーナメントで、佐藤康光VS永瀬拓矢の一戦があります。

6月5日に放送されたNHK杯戦の同一カードでは、新鋭永瀬四段が、NHK杯史上初となる2度の千日手の末、見事佐藤九段を倒すという大金星を上げ、将棋ファンの間に衝撃をもたらしました。あの佐藤九段を相手に、三局指して三局とも序盤で優位に立つという、すばらしい序盤の研究力を見せた新鋭の登場に驚く一方、佐藤九段ファンは、かなり歯がゆい思いをしたのではと思います(私もその一人)。

今度は持ち時間は5時間。ここはぜひ、佐藤九段の凄さを見せつけて、永瀬四段に試練を与えて欲しいと思います。

楽しみ~。

PS 昨日の久保VS橋本戦もおもしろかった。今期11連勝中と勢いのある橋本七段でしたが、それを退けた久保二冠はさすがでした。棋譜解説に、どの駒も前にでて、全軍躍動とありましたが、まさにそんな感じ。穴熊で、攻め駒がさばけて、と金攻め、という勝利の必勝パターンで、タイトルホルダーの凄みを見せつけた、という印象でした。

 

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2011年6月 6日 (月)

NHK杯将棋トーナメントで2回の千日手!

昨日のNHK杯将棋トーナメントは、すごかったですね。

佐藤康光九段に挑む弱冠18歳の新鋭、永瀬拓矢四段が堂々の指し回し。第一局は先手番、第2局は後手番で、いずれも作戦勝ちっぽいのに千日手を選択(相手の佐藤九段も意地っ張りで手を変えないし)。

解説の鈴木大介八段によれば、永瀬四段は千日手を苦にしないそうです。永瀬四段の考えは、「自分は序盤の研究を誰よりもやっているから、序盤で悪くなることはない。千日手になれば、その分、相手が対応を間違えてこちらの研究にはまる可能性が高くなる。千日手指し直し局は(集中力に優れた?)若手が勝つ」だそうです。最近の18歳の発想は大胆だけど説得力あるなあ。

そして、第三局も、永瀬四段が端からうまく手にして優位を築き、一時寄せ損ねて混沌としたものの、最後は押し切って、佐藤九段相手に大金星を手にしました。

いやー、あの佐藤九段を相手に3局指していずれも優位に立つとは、並みの序盤の研究力ではないですね。ほんとに四段??

そう思って、棋士ランキングのページで調べてみると、なんと、今期は七連勝! 昨年度はどうだったのかなあ、と思って見てみたら、途中までは勝ったり負けたりですが、終わりは11連勝じゃないですかっ! ということは、昨年度から今期にかけて、期をまたいで18連勝! 昨年度の連勝記録は、佐藤天彦六段の17連勝だから、それを越えてますね!

これは恐ろしい若手が現われました。

来週は、これまた期待の若手、阿部健治郎四段(昨年度レーティング95アップ)が登場します。

佐藤天彦六段、阿部健治郎四段、菅井竜也四段(阿部四段と同じく昨年度レーティング95アップ)で、若手三羽烏だと思ってましたが、永瀬四段も加えて、若手四天王かな? あ、豊島将之六段を忘れていました。いよいよ、羽生世代に代わる新たな世代が育ってきたって感じですね。

楽しみです。

PS
佐藤九段が三局とも冴えなかったのが、少し淋しかったです。自分としては、序盤は研究を活かして永瀬四段が優位に立つけれども、最後は佐藤九段が豪腕でねじ伏せて、A級の貫禄を見せつける、というのを期待していたのですが・・・。佐藤九段のことだから、また斬新な研究成果を引っさげて快進撃を続けてくれることと信じています。

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2011年5月 5日 (木)

東日本大震災復興支援イベント「がんばろう日本!チャリティー将棋」

渡辺竜王のブログで、『がんばろう日本!チャリティー将棋』という復興支援イベントが千駄ヶ谷の将棋会館であるのを知り、行ってきました。参加費はチャリティーとして、日本財団を通じ全額寄付とのことです。

イベントは大盛況で、僕が少し遅れて1時過ぎに将棋会館に着いたときには、将棋会館の前は受付を待つ人で長蛇の列ができていました!

僕が参加したのはトークショーだけでしたが、一番前に座ったおかげで、棋士の方々を間近に見ることができて、大感激でした。

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前半の司会進行の島九段。トークのテーマは『将棋と教育』ということで、たくさん良いことを言われていましたが、特に、「将棋を通じて、スマートな負け方、自分の負けを認めることを学んで欲しい。そして負けても何度でもトライすることを学んで欲しい。人生は負けの連続ですから」みたいなことを言われていたのが印象に残りました。

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奥から山口恵梨子女流初段、門倉啓太四段、中村太地四段、鈴木環那女流初段。

飛び入り参加の山口女流初段は現役大学生だそうで、とても初々しかったです。彼女のような女流棋士が増えると、ゴルフと同じように、将棋のファン層がぐっと拡大しそうですね。3月までNHK将棋講座のアシスタントをされていたそうで、大震災の後、被災地から震災のため放送されなかった回をぜひ放送して欲しいとのリクエストが届き、実際に再放送がされた後、被災地から番組が大変励みになったとの感謝の手紙が届き、番組をやっていて本当によかったと言われていました。

門倉四段は、最近四段への昇給を決められたそうです。NHK杯戦のテレビ放送で記録係としてよく見るなあと思っていたら、今年の抱負を聞かれたとき、「記録係の門倉ではなく、棋士門倉としてみなさんに覚えてもらえるよう頑張りたい」と力強く答えていました。

中村四段はこの春に早稲田大学を卒業され、それも大変優秀な成績だったそうです(論文が表彰されたとか)。高校時代も学年で2番の成績だったこともあるそうで、これは将来が楽しみ。豊島五段のように、若くしてタイトル挑戦を狙える逸材かも?

鈴木女流初段は、大変きれいな人で、近くで見れてラッキーでしたhappy01。 矢内さんの後にNHK杯将棋トーナメントの聞き手をやってもらえないかなあ。。鈴木女流初段は、最近、被災地に行かれたそうで、あまりの光景に唖然として、被災された方々にかける言葉がなかなかみつからないとき、将棋をすることが言葉をかわすきっかけになった、というようなことを言われていたのが印象的でした。また、見た目とは逆に(?)お酒がお好きらしく、今年の抱負として、「たくさん勝って、たくさん東北に行って、たくさん東北のお酒を飲みたい」みたいなことを言われていました(うろ覚えなので、間違えていたらすみません)。

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マイクを握っておられるのは、新婚の野田澤彩乃女流1級。大震災のときの様子、被災された方々への思いを語られているところです。

トークショーでは、他の棋士の方々もそれぞれ大震災に対する思いを語られたのですが、みな被災地のために何かをしたい、という気持を強くもたれ、そのために自分にできることは何かを、真剣に考えておられることが伝わってきました。そして、棋士の方々のその思いが、今日のチャリティーイベントにつながったということが、よくわかりました。

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後半は、『トップ棋士にきいてみよう!』というテーマで、渡辺竜王、広瀬王位、森内九段、遠山五段によるトークショー。 素晴らしい豪華なメンバーで、来てよかった、と心から思いました。

遠山五段の司会進行で、事前に受け付けておいた質問を箱の中からピックアップしては、渡辺竜王、広瀬王位、森内九段にぶつけていく、という形式。

かなりマニアックな質問から、ゆるい質問までバラエティーに富んだ質問がありました。以下、うろ覚えですが、いくつか紹介します。(内容が間違えていたら、すみません。和気藹々とした雰囲気が伝われば、と思います)

(質問)「広瀬王位に質問です。後手番になったとき、四手目で5四歩とゴキゲン中飛車でいくか、4四歩と四間飛車穴熊でいくかの判断基準は何ですか?」
(広瀬王位)「対局者がゴキゲン中飛車対策に苦労しているか、ということも考えるし、単に気分ということもある」

(質問)「タイトル戦の昼食で好きなものは?」
(森内九段)「ごはん物が好きだけど、その土地の名物があればそういうのも食べたい」
(広瀬王位)「優柔不断なので、はい、これです、と出して欲しい」
(渡辺竜王)「とにかく早く食べれるもの。5分以内で食べて、昼休みは寝たい」

(質問)「渡辺竜王は、なぜ竜王戦にそんなに強いのですか?」
(渡辺竜王)「実は、自分の竜王戦での勝率はそんなに高くない(6割強?)。効率よく勝っているということです」

(質問)「大事な一戦の前にコンディションを整えるためにしていることはありますか?」
(森内九段)「若い頃はストイックな時期もあったが、今は特にこれといってしていることはなく、普段と変わらない」
(広瀬王位)「普段と変わらない。若い頃は、前日でも遊びに行っていた」
(渡辺竜王)「特にない。普段と変わらない。月曜日に対局があっても土日は競馬をする。ちなみに、昨年度、1週間に3つ対局をするということが2度あったが、普通は、月水土にするところを、土曜は(競馬があって)いやなので月水金にしてもらった」
 
(質問)「休日の過ごし方は?」
(森内九段)「子供と遊ぶことが多い。公園とかに行ったりする」
(広瀬王位)「結婚もしてないので、一人で過ごすことが多い。昨日は久しぶりの休日だったので、ほとんど一日寝て過ごした」
(渡辺竜王)「一年のうち80%が休日と言えば休日なので、休日だから特に何かするというわけではない。カレンダーの休日(土日)は競馬。」(あれ? 上の月水金の話はこの中で出たんだったかな?) 
  
(質問)「広瀬王位はお酒が苦手と聞きましたが、タイトル戦の前日などは会食でお酒を勧められることもあると思うのですが、どうされていますか?」
(広瀬王位)「一応飲むが、顔がすぐ真っ赤になるので、新聞記者の方が、「もうウーロン茶にされますか?」と気をつかってくれる」
 
(質問)「広瀬王位は、穴熊王子というニックネームを気に入ってますか?」
(広瀬王位)「あまりに自分のキャラとかけ離れているので、後継者を探している。王位を奪取したとき、棋士仲間の一人に「王子から王位になったね」とウマいことを言われた」

(質問)「広瀬王位は献血が苦手なのですか?」
(広瀬王位)「そうです。以前献血をしたとき、顔が真っ青になったことがあり、周りから貧血王子と言われた」

(質問)「(将棋を)やめたくなったことはありますか?」
(森内九段)「将棋がいやになったことはあるが、やめようと思ったことはない。将棋以外に取り得はなく、他の仕事は大変そう」(名人戦に出ることは、大抵の仕事より遥かに大変だと思います・・・)
 
(質問)「目隠し将棋はプロなら誰でもできるのですか?また、目隠し将棋ができても、やはり盤はあった方がいいのですか?」
(森内九段)「あまり得意ではなく、過去に目隠し将棋の3面指し(!)をして、2局は勝ったけど、残りの1局で、相手の駒があるところに自分の駒を打ちこんでしまい負けた苦い思い出がある。そのときの相手が渡辺竜王の今の奥さんです。盤がなくても考えられるが、盤があった方が精確になる」
(広瀬王位)「実は公式に目隠し将棋はやったことがない」
(渡辺竜王)「私も目隠し将棋はやったことがない」

(質問)「渡辺竜王に質問です。息子さんの将来は棋士? それとも騎手?」
(渡辺竜王)「騎手になるのは、本当に狭い門で、将棋の奨励会員になるよりずっと難しいので、棋士になる確率の方が高いのでは?」

(質問)「将棋は勝負がついても、対局者の表情からはどっちが勝ったのかよく分からないことが多いけど、内心ガッツポーズだったりするのですか?」
(森内九段)「ガッツポーズをしたことはないが、ガッツポーズをされたことがあって、それはよく覚えている。相手は神吉さん。対局前に「今日は穴熊でいくから」と言われて、ほんとに穴熊で来られて、こちらは対策をしていたから優位に立ったんだけど、逆転されて負けてしまい、ガッツポーズをされた。「アマチュアに負けた気分やろ?」と言われて、一層へこんだ。普段の対局では、対局後は、客観的に局面や手の分析をするので、ガッツポーズということはない。ふがいなく負けたときは、観戦してくれている人のために、せめて感想戦を盛り上げないと、と思う」

そして、最後、質問も大方読み終え、遠山五段が取っておいたこの質問で締めくくりとなりました。持ち駒を使いきったきれいな詰め上がりを見るようで、遠山五段の見事な指し回し(司会進行振り)が光りました。
(質問)「今年の抱負は?」
(渡辺竜王)「昨期は名人戦に出れなかったので、名人戦に出たい」
(広瀬王位)「王位防衛」
(森内九段)「まずは、名人戦に勝つこと。竜王戦に出たい」
 

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最後の締めは、島九段の挨拶。将棋界としても、東日本大震災の被災地復興のためできる限りのことをやっていこうということで、今後、タイトル戦を東北でやることも検討しているとのことでした。

また今回のようなイベントがあったら喜んで参加させてもらいます。棋士の方々をはじめ、イベントに携わられた皆様、ありがとうございました。

 

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2010年12月19日 (日)

12月25日は『NHK杯将棋トーナメント60周年記念』番組!

竜王戦も終わり、いよいよ今年もあと僅かとなってきました。

日曜日の朝、将棋ファンの方々は、竜王戦7連覇を決めた渡辺竜王と、2回戦小林裕士六段戦で絶妙の指し回しを見せた島朗九段の“あきら”対決を楽しまれていることと思います。

さて、将棋ファンの皆様にグッドニュースです。

12月25日午後2:00~3:59『NHK杯将棋トーナメント60周年記念 歴代優勝者が選ぶ名勝負十局』が放送されます!

昔の、痩せた寝ぐせ頭のハリー・ポッターのような若き羽生が、奇想天外な手を放つシーンなどが見れるかも。

楽しみですね。

 

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2010年11月15日 (月)

竜王戦第3局大盤解説会に行ってきました

この数年、竜王戦が始まると、今年も年末が近づいてきたなあと思います。

さて、11月11日(木)に竜王戦第3局、2日目の大盤解説会に行ってきました。

目当ては、矢内理絵子女流四段。 毎週見ているNHK杯テレビ将棋トーナメントの司会をしている女流棋士で、強いだけでなく、とってもかわいいのです。これは、実物を見る、絶好の機会!

そういうよこしまな気持で、初めて大盤解説会というのに行ってみたのですが、これが予想以上におもしろかった!

矢内女流は期待通りの美しさでしたが、もう一人の解説というか、メインの解説の中村修九段の話術がすばらしかった! 行く前は全然期待していなかったのですが(失礼。)、いざ解説が始まると、“これは解説という名を借りた漫才?”と思えるほど、随所に笑いが散りばめられていました!

前日までの指し手を振り返って解説しているとき、渡辺竜王がいい位置にあると思われた9筋の角を切って果敢に攻め立てたあたりの解説では、「んー、何か竜王の方に誤算もあったんじゃないかと思うんですが、このおじさんは、崩れないんだよね」などと、まだ26歳の渡辺竜王をつかまえて失礼なことを言っていました(笑)。

矢内女流が、「えっ、おじさんですか?」とツッこむと、「おじさんでしょー。26歳ですけど、立派なおじさんです」と答えていました。 どうやら中村九段は、渡辺竜王はまだ26歳ということは充分承知の上で、竜王を6連覇している渡辺竜王の風格を、敢えて、「おじさん」という言葉で表現したようです。

また、途中、“次の一手”という、大盤解説会に参加している人たちに三択の中から次の一手を当ててもらうコーナーがあるのですが、この三択の候補を出すとき、

中村 「いやー、私はこういうの苦手でね。嘘がつけないので、正解を言うとばれちゃうんですよ。矢内さんお願いします」
矢内 「えー、それじゃあ、私が嘘が上手、嘘つきってことですか!」
中村 「いやいや、そういう意味では・・・(しどろもどろ)」

というような、中村九段の不用意な一手に、矢内女流の強烈な返し技(ツッコミ)が炸裂するシーンもありました(笑)。

今年のお笑い界はいまひとつパッとした芸人がいないので、中村九段と矢内女流四段で組んでM-1グランプリに出場すれば、いいとこまでいけるかも、と思いました。

将棋の解説を聞いていると、安易な手を指すと一気に勝負が決着してしまうような展開もあることがわかっておもしろいです。 この日の大盤解説でも、そういう展開が中村九段によって示されると、会場のあちこちから、「おーっ」と声が出ていました(僕も出しました)。実戦はそういう危うい展開を避けながら、ぎりぎりの勝負が展開していっている、ということがわかると、見てておもしろさが何倍にもなります。

あと、こういう大盤解説会に参加している方には年配の方が多いのですが、そういう方には、
解説の途中なのに、「そこで6九角でどうなの?」とか、遠慮なく聞く人が結構いて、KYと言われないようにいつもびくびくしている自分には、新鮮に思えました。

この第3局は、歩切れで苦しんでいた羽生名人が渋い金の使い方をして一歩を入手し、その後、渡辺竜王が受けを手抜いたところに一気に襲い掛かって逆転勝ち、対戦成績を1勝2敗としました。これで竜王戦は俄然おもしろくなってきました。フルセットになったら第7戦あたりで、また大盤解説会行こうかな。
 
 






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2008年5月25日 (日)

『ハチワンダイバー』がおもしろい!

将棋をテーマにしたドラマ『ハチワンダイバー』がおもしろい!

プロ棋士になる夢破れ、賭け将棋で日銭を稼ぐ真剣師に身を落としていた主人公菅田健太郎ことハチワンダイバー(ドラマの中では単にハチワンって呼ばれてます)が、次々に強敵に当たり、そのたびに、かつての師匠の言葉などを思い出して撃破していくというストーリー。

まず、M1王者のサンドウィッチマンが役者として出てるのがいいです。さすがM1王者は演技もうまい! 漫才のネタみたいな台詞で笑わせてくれますが、凄むときの迫力もすごいです。

それから、「アキバの受け師」と呼ばれるメイド棋士(仲里依紗)も魅力十分。おっぱい星人はみんな彼女の虜になるに違いありません。

毎回出てくる主人公の対戦相手の棋士も超個性派揃い。第2話の対戦相手の「マムシ」、第3話の対戦相手の「二こ神」、どちらもそれを演じた役者の怪演ぶりはすごかった。そして、今回第4話の対戦相手の売れっ子漫画家、文字山ジローを演じた劇団ひとりも素晴らしかった。知的さと幼稚さの間を大きな振幅で行ったり来たりするあの演技は、劇団ひとりにしかできないんじゃないかなって思いました。

主人公が窮地に陥るとぼとぼと汗をかいたり、勝負を決する決定的な一手を放つとき、打ち付けられた駒からオーラみたいなのが発せられて、それを受けた相手が後方にのけぞったりする超大げさな演出もおもしろいです。

このドラマを見た人が将棋に興味を持って、翌日日曜日朝10:20から放送されるNHK杯テレビ将棋トーナメントも見てくれるといいなあ、と思います。ドラマほどドラマチックではないですが、毎回、予想外の展開があっておもしろいです(ブログに書くの忘れてたけど、この間の阿久津六段VS神崎七段の一局も、後半、超接近戦のどつき合いになっておもしろかった!互いの王が間に桂馬を一つ挟んで睨み合った状態で攻め合う様子は、総合格闘技でいえば、お互いに顔をつき合わせた状態で殴り合うドン・フライと高山の名勝負のようでした。)

次回の『ハチワンダイバー』は、ハチワンと文字山の一戦が決着します! 絶対見ねば。

 

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2008年4月21日 (月)

4月20日放送のNHK杯将棋トーナメント

4月20日放送のNHK杯将棋トーナメントは、高橋道雄九段VS広瀬章人五段。広瀬五段は、現役の早稲田大学生とか。プロの棋士というだけでも相当頭使うだろうに、さらに他の勉強もするとは、すごいなあ。脳の容量が普通の人より大きいのかな?

将棋は、先手の高橋九段が居飛車穴熊、後手の広瀬五段が振り飛車穴熊。お互いガードを固めて相手にプレッシャーを掛け合います。そして、飛車を成合い、馬を作り合った後、先に桂香を拾った広瀬五段が、拾った桂香を玉頭から打って攻撃態勢を作ります。それに対して、高橋九段は金銀4枚に馬まで絡んだ頑強な守りを組み、攻めが切れたら逆に攻めますよとプレッシャーをかける9五桂を打ちます。

しかし、ここからの広瀬五段の攻めが切れ味抜群でした! 馬を切って銀を取り、同金に竜を切って、金銀2枚をはがします。格闘技で言えば、弾丸タックルでテイクダウンに成功というところでしょうか。そして竜を取るために、高橋九段の残った金銀のうち、金がちょっと離れてしまいます。そのガードが開いた一瞬に、広瀬五段は、桂香を成って、取った銀も打って、パウンド、パウンド。これが見事にヒットして、高橋九段あえなくタップとなりました。

いやー、金銀4枚の鉄壁の守りが、ああも簡単に崩れてしまうとは、驚き。高橋九段としてみたら、守りにも効くと思っていた馬が全然役に立たなかったのが誤算といったところでしょうか。まあ、今回はカウンターを恐れず勇気を持って鋭く踏み込んでいった広瀬五段が見事だったと言えるでしょう。

いやー、今回もおもしろかった。次回も楽しみです。

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2008年4月13日 (日)

4月12日放送のNHK将棋講座と将棋トーナメント

今日の将棋講座は美濃囲いの特徴について。杉本七段は「宜しくお願いしまth」と相変わらず「す」の発音のとき大きく息が漏れます(笑)。今日の講座の中では、「4九の金は美濃のカナメ」という格言がタメになりました。4九の金を簡単に上に移動させられては、ダメということです。

将棋トーナメントは、佐々木慎五段VS髙﨑一生四段の一戦。佐々木五段は髪が長く、眉毛が細くきりっとしていて、六本木でホストでもできそうな顔です。一方、髙﨑四段はおとなしめの髪型で、ちょっとオタクっぽい雰囲気のアキバ系と言えなくもありません(かなり強引ですが)。いわば、今日の一局は六本木VSアキバの戦いとも言えるでしょう(言えないか)。

試合は、先手の佐々木五段が居飛車、後手の髙﨑四段が四間飛車で結局両者とも穴熊に組むじっくりとした戦いとなりました。二筋の攻防で、髙﨑四段が桂取りに打った2八歩が良さそうに見えて良くなかったらしく、その間に佐々木五段が角を成り、さらに飛車角交換で手にした角を金銀と二枚替えするのに成功し、優勢になります。格闘技に喩えるなら、髙﨑四段が打った2八歩が不用意に出した右ストレートで、それに合わせた佐々木五段の5一角成りが意外に効くカウンターの左フック、そして飛車角交換から角と金銀の二枚替えが、畳み掛けのラッシュという感じでしょうか。その前の5三歩打ちのジャブも有効でしたね。これがあったから、5一角成りが効きました。

で、一挙に優勢になった佐々木五段が一方的に攻め続けるのですが、そこから最後の投了までが長かった。攻められている側の髙﨑四段もちょっとスキがあれば逆転してやるぞっていう感じで色々工夫した受けを繰り出して罠をしかけます。その様子は、何というか、頂上は見えてるんだけど、所々難所や落石のある険しい山を一歩一歩足元を確認しながら登っていくような感じでした。でも、一歩間違えば転げ落ちて逆転負けのその山を、佐々木五段は見事に登り切りました。

投了図では、髙﨑四段が打った2八歩が桂を取れないまま残っており、この手が悪手であったことを雄弁に物語っているかのようでした。

勝った佐々木五段は、行方尚史八段や、橋本崇載七段のような、伝統的な棋士のイメージからはみ出した、ちょっと「悪」の雰囲気があって女性にもモテるような気がします(^^)。 どんどん勝ち上がって将棋人気の向上に寄与して欲しいものです。


今日は『K-1 WORLD GP 2008 IN 横浜』のテレビ放送もありました。KO決着が多く、個人的には、大満足でした。その様子は、また後日。


 

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